良いものをより安く
●ロープライス紳士服チェーンが台頭してきた昨今。
価格帯も3プライス(9800円・19800円・29800円)といった“わかりやすい”ことが若者を中心とする消費者にうけている。
私も何度か利用したことがあるが、店内は清潔感がただよい、価格別に棚分けされているので、いちいち値札を確認する手間が省ける。
ならば、もっと利用性の高いショップは考えられないだろうか?
●紳士服チェーンの主力商品はやはり何といっても「スーツ」。
シャツやネクタイはあくまで二次的商品となるだろう。
しかし東京にある「メーカーズシャツ鎌倉」は、そのシャツを専門アイテムとして10年前、コンビニの2階にわずか17坪の店をオープンさせた。
価格帯は最もわかりやすい4900円のワンプライスだ。
●店は順調に売上げを伸ばし、今では丸ビルに出店など直営店7店舗のほか、ネットショップやフランチャイズ制も導入。
今年の売上げは直営店のみで10億円を越える。
なぜシャツだけでそれほど売れるのだろうか?
取り扱いアイテムであるシャツの販売数量は年間で20万枚を突破するという。
●先にも述べたようにロープライスチェーンが台頭してきた今では4900円均一のシャツ専門店といっても決して珍しくはなくなってきた。
それでもそこに明確な販売理由とビジョンがあるから、約75%の割合で客はリピーターとして再来店する。
その理由とビジョンとは?
●まず価格と品質のバランスを見て「こんなに良いものはない!」とお客が驚けば、当然のごとくその商品を買っていくという。
また扱う商品群も時代性を反映したものを常に提供することで、客は安心してリピーターになる。
この要素をふまえた上で「自社生産」を実施しているのだ。
●広く市場に出回っている大量生産のシャツとは違い、「ここでしか買えない」自社生産商品が4900円であれば、それだけで安値感はある。
この4900円という価格も、1万円で2枚買えるという「求めやすさ」が第一の理由。
同時にワンプライス策は大きなコスト削減にもつながるという。
まず値札がいらないし、レジでの打ち間違いもほとんどない。
伝票や棚卸しも省略化できるし、何よりワンプライスだから値下げを求める声が出にくい。
ワンプライス戦略は客のみならず、販売会社にとってもメリットの多い商法だと言える。
●「本当に良いものをより安く」よく耳にする言葉だが、実際に実践できているところがどのくらいあるだろうか?
本当に良いシャツを着れば、職場や酒の席で評判が良かったり、誉められたりする。
ここまでくればお客は店のファンというよりも、信者に近い意識を持つという。
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■□■ 総括
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●不況においてあらゆる商品の値段が下がっているが、ここに大きな落とし穴があることに注意してほしい。
値を下げれば当然なにかしらの生産コストを下げなければならない。
その下げる部分が自社内での努力によるものであれば問題ないがそのまま商品の品質低下を招くと、悪循環に陥る。
「売れないから値を下げる」→「値が下がるから品質を下げる」→「品質が下がるからまた売れなくなる」といった具合に。
お客の視点はどこにあるのか?
メーカーズシャツ鎌倉が推進している「こんなに良いもの」が安いことに魅力を感じるのがお客。
「良いものをより安く」当り前のように使われてきたこのフレーズを今一度吟味してはいかがだろうか?











